Chapters bookstoreに入会した話
近年いつの間にか身近になったサブスクリプション。
音楽や動画などデータの配信サービスを利用している人は多いのではないだろうか。
その他にもパンや花、サプリメントなどのサブスクが多く存在する。
私は最近「本の選書サブスク」に入会した。
Chapters bookstoreという名前のこのサービスでは、
毎月1冊の紙の本とワクワクが自宅のポストに届く。
公式ウェブサイトでは「月額制のオンライン書店」と表現され、
使い方は3つの章(段階)に分かれている。
最近自宅に引きこもりがちだった私は、
近頃感じなかったとても楽しい経験ができたので、ぜひ紹介したい。
※先に断っておくと、私はまだ第1章までしか体験できていない。
第2章以降に進んだら、また記事にできたらと考えている。
<Chapter1>本を選ぶ
月のテーマをもとに、4冊の本が候補として挙げられるのだが、
本の著者名とタイトルは伏せた状態で4つのキーワードが提示される。
9月のテーマは「モチベーション」。
4つの仕事「銀行員、パティシエ、カメラマン、編集者」のキーワードとともに、
イメージイラストと紹介文、短編か長編か日本の作品か海外の作品か、など、
ネタバレしない程度に本の紹介が公開される。
その本を読んだことがある人には「あの本だな」とわかる内容になっているので、
既読本との重複を避けることができるはずだ。
私は9月は1冊が既に読んだ本だったので、それを避け3択の中から選んだ。
大変な読書家の方だと候補の本4冊とも全て読んでいる、
という方もいるかもしれないが、
その時は1冊を友達にあげて会話をするのもいいし、
アペロ(次の段階)を楽しむことに集中してもいいのかもしれない。
本を選びオーダーすると数日で、
とても素敵な紙のカバーがかけられた本が届く。
もちろんその時もタイトルや著者はわからないので、
本を開く、その答え合わせの瞬間がとても楽しい。
<Chapter2>同じ本を読んだ人と出会う
マッチングサービスの「アペロ」というサービスがある。
同じ本を選んだ人同士をChaptersがマッチングしてくれて、
オンライン上で1 on 1の20分の会話をする機会が与えられる。
本の感想などを語り合う場になるそうだ。
この段階に進むためには生年月日、恋愛対象、好きな本3冊など、
更なる情報を追加で登録しなければならない。
同じ本を読んだ人同士という安心感もあり、
Chaptersからは話題になるテーマもいくつか準備されているようで、
話題に困らなそうなところもとてもありがたい。
8月はうかうかしていたら参加申し込みし損なってしまって、
まだこちらのサービスは体験できていない。
9月に「銀行員」を選んだ方、どうぞよろしくお願いいたします!
<Chapter3>連絡先を交換する
アペロ終了後すぐに連絡先交換の可否を聞く画面が表示されるそうだ。
おそらくこれは結婚相談所的なシステムなのだろう。
出会った人同士、お互い連絡先交換OKが出たら、
連絡先が交換されるサービスらしい。
恋愛対象同士がマッチングされたら、お付き合いに進むのかもしれないが、
私は同性で趣味の合う友達ができたら嬉しいな…と希望を抱いている。
9月に「銀行員」を選んだ方、どうぞよろしくお願いいたします!(2回目)
・・・
以前、紀伊國屋で「ほんのまくら」というフェアが開催されていた。
これも、本のタイトルと著者を隠した状態で、
「書き出しの一行=本の枕」から好きな本を選んで購入できるイベントだった。
ブックカバーに明朝体で本の枕が書かれていて、中身は開けないようになっている。
私も1冊購入したが、帰宅して開けてみると驚いたことに詩集だった。
勝手に小説やエッセイなのかと思っていたのと、
詩集というものを当時購入したことがなかった私は、その偶然の出会いに驚き、
金額以上の楽しさとワクワクを購入したように感じたことを強く覚えている。
Chaptersのサービスは、アペロをしなくても、
単純にブラインド選書として毎月、本が届く楽しみに課金するのもいいと思う。
電子書籍が広まってもう何年にもなる。
私の住む市では図書館も電子化され、タブレット上で読むことも増えた。
それでもやはり、指で紙を捲りながら読む本には敵わない。
長い歴史の中で本は紙だったから何百年も昔の本を今も読むことができたはずで、
電子化されてしまったらこの先の100年、
サービス終了等で残らない本も増えていくのではないかなと、
コロナで時間がありすぎて考え事をしてしまうので、そんなことを考えたりした。
Chaptersのサービスは、
人や物との偶然の出会いも少なくなっている今の世の中にぴったりのサービスで、
心の穴を埋めてくれるような感覚に私はとても心動かされた。
それは誰かと共通の話題を持つ安心感かもしれないし、
偶然の出会いへの期待かもしれない。
私は昨年、友達がいない土地に引越してきた。
友達に会うために以前住んでいた場所へ気軽に移動することもできず、
より話題がセンシティブになる側面もあり、なかなか自ら連絡を取れなかったり、
会社には上司しかおらず、新たな同僚との出会いは望めなかったり、
テレワークが進み出社もなくなり、帰りの寄り道もなくなった。
緊急事態宣言で酒類の提供はなくなり、
昨年やっと見つけたお気に入りのバーもずっと休業をしている。
孤独を感じていなかったと言えば、嘘になる。
そんな時にInstagramでたまたま広告が表示されて出会ったこのサブスクに、
私は2019年の普通の生活をしていた頃のように、久しぶりにワクワクしている。
温かみのあるブックカバーに包まれた本を手に取った時、1人じゃないんだなと、
大袈裟かもしれないけど、狭い部屋の片隅で本当にそう思った。
まだ全てのサービスを試したわけではないので、
「全部が満点です!」とは言えないが、
本が届いたこと、そしてこの先の体験への期待で、
私の中ではすでに満点のサービスだ。
ただ本棚に本が増えていく満足感だけでなく、
一緒にアペロで出会った人との思い出も増えていく。
現代らしい素敵なサービスだと思った。
やはり、紙の本はいい。
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◇Chapters Bookstore
https://chapters.jp(スマートフォン推奨)
PR・アフィリエイトではないのでご安心ください…
◇料金
1ヶ月プラン:1,980円
3ヶ月プラン:5,775円